元祖 丁子屋

静岡市駿河区丸子7丁目10-10
TEL:054-258-1066
HP:https://chojiya.info/
静岡市駿河区丸まりこ子は東海
道の歴史とともに
静岡市駿河区丸子は東海道の歴史とともに歩んできた宿場町。「元祖丁子屋」は、創業以来この地で営業を続け、今年で426年目を迎えるとろろ汁の老舗です。歌川広重の浮世絵「東海道五拾三次」に丁子屋だと思われる茶屋が描かれていることでも有名です。今回は、14代目丁子屋平吉社長にお話を伺いました。

電柱広告はお役に立っていますか

今まで国道1号線側にしか電柱広告が無く、旧道側(東海道沿い)になかったことに気付き、2本追加し10本にしました。追加した2本を含めてとても良い道しるべになっていると感じています。来店してくださったお客さまに対し、私たちはこれか
らも、一生に一度の思い出を提供できるよう、励んでいきたいと思います。

丁子屋という名前の由来は何ですか?

「丁子」とは香辛料の「クローブ」のことです。かつては漢方薬として重宝され、奈良県の正倉院にも保管されています。江戸時代、貴重品だった丁子は縁起物でもあり、商売繁盛を願って屋号に「丁子」とつけるお店が多かったのです。

創業426年目という歴史に圧倒されます

430年前といえば、時は戦国。駿府の町も幾度となく戦火に見舞われました。丸子宿周辺にある宇津ノ谷峠は、豊臣秀吉が小田原征伐の際に通過したことでも知られています。そのような時代にあって、初代・平吉は、慶長元年(1596年)、この地に暖簾を掲げました。今でこそ「とろろ汁の丁子屋」として親しまれていますが、もともとは農業の合間に営むお茶屋として開業したのです。とろろ汁を始めた時期は明確ではありませんが、1691年に松尾芭蕉が詠んだ句「梅若菜 丸子の宿の とろろ汁」に丸子宿のとろろ汁が登場しています。

人気のメニューを教えてください

1番人気があるメニューは「丸子定食」です。当店のとろろ汁は、自家製味噌の出汁で伸ばすので風味豊かなのが特徴です。自然薯というのは、山芋類の中で粘りと風味が最も強く、栄養価も高いため古くから日本人の健康を支えてきました。また、他にも「揚げとろ」という自然薯を擦って揚げた一品料理も人気があります。

地域の大学生と商品開発をされたそうですね

静岡市と静岡県立大学の学生と共に「丁子屋焼き」(どら焼きのようなお菓子)を開発しました。むかごの認知度向上のため、むかご100%の餡を使用し、自然薯を練りこんだ生地でふんわりと包んだお菓子です。むかごというのは、自然薯の葉の付け根にできる球芽のことです。自然薯の赤ちゃんであり、栄養価もとても高いです。

建物が文化庁の有形文化財に登録されたそうですね

丁子屋の茅葺き屋根が歴史的建造物としての評価を受け、今年3月に文化庁の有形文化財として登録されました。歌川広重の浮世絵にも茅葺きの建物が描かれていますが、実は江戸時代の丁子屋は茅葺き屋根ではありませんでした。実際、手元に残る大正7年当時の丁子屋の写真も茅葺き屋根ではありません。

いつから茅葺き屋根にされたのですか?


「歌川広重の浮世絵に描かれた茶屋のたたずまいこそが丁子屋の原点である」との12代目の想いから、近隣にあった江戸期の農家の構造材を再利用し、1971年に茅葺き屋根を採用しました。そして、2018年には御殿場市の茅葺き屋根の職人の力をお借りし、約4か
月をかけて葺き替えました。

今後挑戦したいことがあれば教えてください

地域の皆さんと協力し、東海道を盛り上げる活動を続けています。「#宿場なう」というプロジェクトでは、宿場沿いの店舗や名所にインタビューを実施し、各々の歴史や取り組みを1枚のパネルにまとめました。当店にもそのパネルを展示しており、お客さまも立ち止まってご覧になっています。
海外にも宿場町の魅力を発信していきたいと考えています。2024年パリ五輪開催の際は、現地に赴いて東海道の魅力を伝え、翌年日本で開催される大阪・関西万博の際に、是非東海道にも足を延ばしていただきたいという想いがあります。19世紀後半に日本美術がヨーロッパに大きな影響を与え「ジャポニスム」と呼ばれたように、宿場町にも、日本文化の一つとして世界の人々の心に響く魅力があると信じています。各宿場では多くの方が地域を盛り上げるような取り組みをされているので、その取り組みが万博を機に「東海道」という東西に長い地域として繋がればいいなと思います。そして多くの方に楽しんでいただいた結果として「東海道」や「とろろ汁」を後世に残していければと思います。
―電柱広告はお役に立っ