三重県産業廃棄物協会は、事業活動に伴い日々排出される産業廃棄物の適正な処理と
資源化の推進を目的として平成3年に設立されました。
「脱炭素・循環型社会」の実現に向け重要な役割を担う協会の取り組みについて、
筒井副会長と和田専務理事にお話を伺いました。

 


井上吉一会長

協会の事業内容や会員数について教えてください

当協会では、主として産業廃棄物の適正処理を進めるための研修・相談事業を行うほか、会員の事業活動に必要
な情報
の提供や、協会および業界全体への理解を深めていただくための普及啓発活動などを展開しています。
研修は、産業廃棄物処理業の許可取得や廃棄物の適正処理を目的としたものをはじめ、コンプライアンス、電子
マニフェスト操作など多岐に亘っており、協会の職員が自ら講師を務めることもあります。
また、相談事業では、廃棄物に関連する法令解釈、契約書作成、事業展開等についての会員からの問い合わせに
加え、自治体(市・町)でも判断に迷うような特殊な廃棄物の処理に関する一般の方からの問い合わせに対応する
こともあります。
会員数は2023年8月時点で431社であり、このうち産業廃棄物の処理業者が約85%、排出事業者と賛助会員が
約15%を占めています。
会員や他県協会との連携を強化しながら、環境負荷の低減に向けた取り組みや、業界全体の地位向上に向けた
取り組みを進めています。

コンプライアンス研修会

どんな時にやりがいを感じますか?

当協会では会員の事業活動支援も行っており、例えば「バイオマス利活用に資する食品リサイクル施設を建設したい」
といった相談を受けることもあります。
実現するためには、周辺環境への配慮や地域住民とのコミュニケーション、技術面や資金面(各種補助金等)の情報
収集などに加えて、事業内容や取り扱う廃棄物の種類により複雑に関係してくる各省庁の法令にしっかりと対応して
いく必要があります。
そこで、当協会では技術的なアドバイスや情報提供、その分野のノウハウを有する企業の紹介を行うなど、プロジェクト
がスムーズに進行するよう「橋渡し」の役割を担っています。
一歩一歩ではありますが、「脱炭素・循環型社会」の実現に向けて前進していると思う瞬間に、やりがいを感じます。

災害廃棄物処理などで地域に貢献されているんですね

近年、各地で頻発している大規模災害時には、大量の災害廃棄物が発生しています。
速やかな復興を進めるために、当協会では2004年に三重県と「災害時におけるがれき等の廃棄物の処理に関する
応援協定」を締結し、自治体で対応が困難となった場合に、廃棄物の仮置場の管理や運搬、処分について支援を
行う体制を整えています。
災害発生時に県域を越えて連携する「中部ブロック協議会」の枠組みにも参画しており、近年では、2019年に
発生した台風19号(令和元年東日本台風)の際に長野県の災害廃棄物処理に協力しました。
このほか、高病原性鳥インフルエンザ発生時にも協力する協定を締結しています。
一般的に災害廃棄物は3日、鳥インフルエンザは1日以内の対応が求められるため、万が一の際に迅速に行動に
移せるよう日頃から綿密な計画を立て訓練を重ねています。

会員様に電柱広告を掲出していただくこととなった
きっかけを教えてください

不法投棄が多い場所へ看板を設置することは、抑止のための有効な手段だと考えています。
2019年1月から三重県が山間部の不法投棄頻発箇所に電柱広告を掲出していましたが、その後、官民一体の取り組み
の一環として、当会員がスポンサーとなり、事業場周辺の環境保全と自社PRを兼ねて掲出することを協会として提案
しました。
現在、賛同する会員24社が県内各地に計59個を掲出しており、会員からは「自社のPRとともに社会活動に貢献できる」
との良好な感想が寄せられています。

協会としてはバス広告を掲出されているそうですね

当協会の日々の活動に関心を持っていただければとの思いから、広範囲で人の目に留まりやすいバス広告を、昨年末
から年始にかけて10台、さらに今年度は環境月間(6月)に合わせて16台に掲出しました。
バスの車体前面を利用した「マスク広告」や、車内の「ポスター広告」などによる広報活動は目新しい試みのため、
業界新聞で紹介されたり、様々な関係者から「広告を見たよ」と声をかけてもらったりと、協会の認知度向上に大いに
役立っています。

今後目指すこと・発信したいことはありますか?

「脱炭素・循環型社会」の実現に向け、当協会および業界全体の役割は重要度を増しています。
これをさらに前進させるためには、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の全ての立場の方が、環境負荷低減のために
できることを考えていく必要があります。当協会の会員は廃棄物処理業者が中心となっていますが、排出事業者の会員
が増加することにより、連携した取り組みを拡大・加速させることができると考えています。
関係者の方には、ぜひ入会をご検討いただきますようお願いします。
当協会は、今後も会員と一体となって適正処理やリサイクル推進に取り組むとともに、関連行政機関等とも連携し、より
よい社会の実現に向けて貢献してまいります。

一般社団法人 三重県産業廃棄物協会
三重県四日市市鵜の森1-2-19 マルキビル5階
TEL:059-351-8488 FAX:059-353-7470
ホームページ:https://www.mie-sanpai.or.jp/